香害の記事で、建材だけでなく日用品もシックハウス症候群の原因になるということを書きましたが、今回は

「自然素材だけでできた家なら大丈夫なのか」

という話です。


まずはこの話に出てくる、化学物質過敏症について。

まだまだ解明されていない病気ですが、だいたい「様々な化学物質によって体調不良が引き起こされる病気」と認識されていると思います。
シックハウス症候群も、建材などに使われている化学物質で体調が悪くなる病気なので、化学物質過敏症と似ていますが、何が違うのかというと……。

「シックハウス症候群」は家で使用されている化学物質によって体調不良が引き起こされるため、原因となっている家を離れれば症状が改善します。

「化学物質過敏症」は家で用いられている化学物質だけでなく、より広範囲な物質によって体調不良になってしまいます。殺虫剤や防虫剤、香水、柔軟剤、芳香剤、シャンプー、タバコなど、人により苦手なものが違いますが多種類の化学物質に反応します。シックハウス症候群が悪化して化学物質過敏症を発症する人も多いようです。


この違いを本屋さんで例えてみると……
新築の本屋さんに、建材の匂いで中に入れないのが「シックハウス症候群」
建材の匂いだけでなく、紙に用いられる接着剤の匂いやインクの匂いなどでも中に入れないのが「化学物質過敏症」
です。
bookstore

新築の住まいは入らなければいいだけですが、紙やインクの匂いがダメだと、コンビニの雑誌コーナーだったり、隣に座った人が広げた新聞だったりに反応したりするので、普段の生活で反応が出るものに接してしまう可能性があります。

個人によって反応する物質・反応の強さがかなり違うので一概には言えませんが、シックハウス症候群よりも、化学物質過敏症の方がより対策が難しい傾向にあります。

どちらにしても病気が原因で不便なことや大変なことが起こるのには変わりませんが……。


さて。家の話に戻ります。

化学物質過敏症というくらいなのだから、化学物質に反応するんだよね?自然素材だけで建てた住まいなら大丈夫じゃない?と思うかもしれません。しかし、それは間違いです。

自然の物にも反応が出て、体調不良になる人がいます(人によって反応は違うので、化学物質過敏症でも自然の物に反応しない人もいます)。

なんで!?自然素材だよ?カラダにやさしいよね?と思うかもしれませんけど、ちょっと考えてみてください。

花粉症の人は「自然の物質」である花粉に反応が出ませんか?
食物アレルギーの人が、人によっては命を脅かされる反応を引き起こすものは「自然の食べ物」ではないでしょうか?

ですから、「自然の物」が、人によっては「カラダにとって絶対に安全ではない」ということです。

「化学物質」過敏症という名称の病気ですが、この病気を発症している人は化学物質以外の自然のものによって体調不良が引き起こされることも多々あり、自然素材だけで建てた住まいでも「絶対に住める」と言い切ることはできないんです。

もちろん、自然素材だけで建てた住まいは、化学物質をたっぷり使った住まいよりは体調不良になる確率は低いかと思います。しかし、化学物質過敏症患者それぞれダメなもの、大丈夫なものが違うので、同じものに対しても、ある患者が大丈夫でもほかの患者はダメ、ということがよくあります。

まとめてみます。

・「化学物質」過敏症という名称だけれど、自然の素材に反応する人もいる。
・だから、自然素材だけで建てた住まいでも、体調が悪くなる人もいる。
・人によって体調不良を引き起こすものが違うので、同じ病名でも同じ症状・反応とは限らない。

「自然の素材がだれに対しても安全」ではなく、「その人にとってどんなものがダメで・どんなものが大丈夫なのか」ということなのです。