170718_1

170718_2

 

あなたの家の天井は大丈夫ですか?

特に二枚目の写真、天井の半分くらいが変色しています。

 

この模様、雨漏りの跡なんです。

さて、屋根のほうがどうなっているかというと…

170718_3

当然というか、一目で傷んでいるのがわかります。

 

時間が経つにつれて家が傷んでしまうのは自然の摂理です。

だからこそ、長く快適に暮らすためにメンテナンスやリフォームが大事になってきます。

 

こちらの住まいはすでに雨漏りして、室内の天井の跡を見ると少し放置されていたであろうことがうかがえます。

 

雨漏りをしている時点でリフォームのタイミングは過ぎているので、このまま屋根工事を行います!

 


さて、屋根工事といっても、手法は様々です。

全面葺き替えを行えば話は早いのですが、当然規模が大きくなるため、予算が高くなってしまいます。

それに、全部葺き替えてしまうと大量の瓦の処分費もかさみますし、この住まいの瓦はまだ使えるようなので、このまま利用しない手はありません。

 

ということで、施主様と相談の上、全面ではなく傷んでいるところのみ、メンテナンスを行うことにしました。

 

 170718_4

サビサビだった板金が、新しくなりました!

170718_5

そして、部分的に傷んでいる板金は傷んでいるところだけ、ピンポイントに修復。

 

まだ利用できるものは利用し、傷んでいるところだけ交換や修復を行うことで、予算をたくさん使うことなく、リフォーム工事を完了することができました。

 

 

さて、今回のリフォームについての考察です。

 

「プリベンティブ・メンテナンス(Preventive maintenance)」という考え方があります。

日本語に直すと、予防保全。

 

プリベンティブ・メンテナンスは、何か不具合が生じてから修理をするのではなく、普段から住まいの状態をチェックし、故障したり壊れたりする前に修繕する、という考え方です。

 

今回の屋根工事にこれを当てはめると、雨漏りが起きてからではなく、雨漏りが起きる前に屋根の状態を確認し、損傷具合に応じて修繕するということになります。

 

でも、まだ使えるならば使いたいと思うのが人情。もったいない、と思うのは私だけではないはず。

家電なども壊れかけてから、または完全に壊れてから買い替える、という方も多いのではないでしょうか。

 

ですが、住まいに関して言えば“壊れてから交換する”ことは長い目で見るとより多くのコストがかかる場合があります。

 

今回の場合は室内の天井に模様が出ています。

その様子を見るに天井の部材だけでなく、屋根と天井の間の建材なども雨にさらされてしまったと考えるのが自然です。

雨でぬれたままになってしまうと、建材が腐りやすくなります。そうすると、傷んだ部分が増える分、メンテナンス費もかさんでしまいます。もちろん、模様が出てしまった天井を交換するのなら費用がかかります。

 

プリベンティブ・メンテナンスをしていた場合はどうなるでしょうか。

雨漏り前に屋根を修繕していたら、屋根の下の建材を雨にさらすことも無く、天井にまで落ちてきた雨が天井に模様を作ることも無かったと思います。

すると、建材を劣化させることも無く、室内の天井もきれいに保つことができたはずです。

 

さて、どちらがコスト的に優れているでしょうか。そして、見た目にも良いのはどちらですか。

後者であることは明らかです。

 

壊れていないのに交換するのはもったいない。使えるものは最後まで使おう、と思う気持ちは良いことだと思います。その方がエコにつながることもあります。

 

しかし、住まいを長く快適に保つには、“故障する前”にメンテナンスをするのがより良い場合も多いのです。